少子高齢化の社会で 今一番大きな問題になっている「介護」は 働く世代に大きな影響があり無視できません。

介護離職による貧困、介護疲れによる事件など・・・メンタルヘルスに多大なる影響があります。

以前 グループ会社全体に向けて 介護セミナーを開催していました。
高齢化、少子化、晩婚化、おひとり様と社会の変化が著しい中で、将来を不安に感じている人、今現在困っている人など、毎回予定100人定員が ほんの2,3日で満員になるほどの関心の高さで 圧倒されたことを覚えています。

ご参加の皆さんの声をお聞きし、数年間セミナーを開催してきた経験が役立てば、と思いまして こちらに記載します。


●介護の対象

主には「年老いたご両親」が思い浮かぶと思いますが、年配者だけではありません。
病気の子供や難病の兄弟や親せきなどの場合もあります。

ここですべてのパターンをご紹介することは難しいので、今回は多くの社会問題を読んでいる「高齢のご両親」への介護について まとめたいと思います。


●介護の課題

  ・誰がみる?
  ・費用は?
  ・社会制度は?
  ・会社は?仕事は?


とにかく いざ介護が必要となったとき、何をどうすればいいのかわからないケースがほとんどです。

介護に大事なことは    

ずばり

     ==== 準備 ===      です!


介護される可能性がある高齢者のご両親には どうしたいのか、聞いておきます。
どこで過ごしたいのか、ホームに入りたいのか、自宅にいたいのか、、、
その場合、費用の工面はできているのか、確認します。
なかなかお金の話はしにくいものですが、、、 

基本的に両親の将来は両親が自己負担するということが大前提です。
ですが、工面できない部分があれば、家族会議が必要となります。


社会制度の情報も大事です。
 「地域包括支援センター」が介護支援の担い手ですから、ご両親の居住地にあるセンターを確認し、市区町村の高齢者への支援制度を確認しておく。市区町村でサービス内容は大きく違います。

「情報」「意思」「費用」の確認を行うだけで、いざというときに 困ることは各段に減るでしょう。



●介護を行う人へ

できるだけ介護が始まっても 仕事をやめてはいけません!
介護の支援は 年々拡大してきています。 社会支援をきちんと受けて、あなた自身が介護をする人にならず、出来る限り介護のプロにやってもらうことを選択しましょう。
そのためには 「費用」がかかります。いくら社会制度があっても 全てが無料にはなるわけではありません。
少しでも快適な介護を受けさせてあげるためにも ご両親の年金だけで 介護する自分の生活費まで賄うような生活はお勧めできません。

費用だけではありません。
介護を行うあなたにも 自分の人生があります。 自分の人生を全て投げ捨ててしまうと あなたの人生や時間は戻りません。 
もちろんご両親の介護は大事なことですし、やってあげたいでしょう。 

それには  自分自身の人生も しっかりイキイキさせながら、、、です。


あなたが介護疲れで疲弊している姿を ご両親は喜んでくれるでしょうか・・・・

悲しい現実ですが、介護の先のず~~っと先には 「死」があります。

これは人間だれでも通る最後の道です。 逃れられない現実です。

その「死」が訪れたとき あなたに何が残りますか? 大事なご両親が天に召されて自分自身の仕事もなく、お金もなく、友人もなく、やるべきこともない・・・ 居場所もない・・・

それでも まだまだ人生は 続きます。

事前知識と家族との話し合いをきちんと重ね、社会制度や会社制度を利用し会社を辞めず、自分の生き方を諦めず、介護のマネジメントもする、という生き方を選んでほしいと思います。

介護の実践は プロに任せましょう。 
そうすると心身の余裕をもって 笑顔でご両親と向き合うことが可能になります。
介護する側も大変ですが、介護される側も 負担をかけたくない、いろんなことができなくなる自分を見られたくないし、認めたくない、、というジレンマがありますから、気持ちを汲んであげることも大切です。



社会制度で認められている「介護休業」は 介護される人1人あたり93日です。
たった93日で介護が終結することはほとんどありません・・

介護は 一般的にどんどん良くなるケースは少なく、どんどん支援すべき事柄増えていくのが普通です。
そうするといくら介護休を使って 朝から晩まで介護をしても、3か月で終わるわけがないのです。

この93日は そもそも介護をするための休みではありません。
これから何年続くかわからない、介護される方が寝たきりになったり、認知症になったり、、という重症度が高くなったとき 自分ひとりではどうにもならなくなったときのことを「想定」して

介護の実践を頼む「プロを探す時間」「介護計画を立てる時間」なのです。


そしてプロから色々な方法を教えてもらい自分たち家族ができることを増やしてもいいと思います。

介護される人も 介護する人も 笑顔でケンカのない生活。 
それぞれができる範囲で分かち合った生活を送れるように支援先を見つけましょう。

余談ですが、認知症の場合「笑顔」「笑い」が症状を和らげると実際に証明されています。



★一番簡単にできること 

【緊急情報カードを冷蔵庫に貼る・ボトルに入れておく】 

ご両親やご自身家族の氏名、生年月日、血液型、既往症、常時服用している薬、主治医の連絡先、家族の緊急連絡先、などを記載したものを冷蔵庫に貼っておくことをお勧めします。
いざというときに救急車が来ても 既往症や服薬状況などがあれば すぐに対処できることもあります。緊急連絡先があれば 即家族に連絡が届きます。
現在の日本では 救急対応時 冷蔵庫を見るというルールがあります。
(もっと大々的な告知をしてほしいですが・・・)
特に一人暮らしの人については 自分がしゃべれない状態で救急車を呼んだ場合でも大事なことを冷蔵庫に貼っておけば緊急措置も速やかに行われるようです。
貼るタイプは見た目が悪い、、という方には 情報を書いたメモをペットボトルなどの容器にいれて ボトル立てに入れておいても 救急隊はすぐに見つけてくれます。
ボトルは自治体で販売しているところもありますが、ペットボトルで十分です。
まず最初にできる準備として 緊急情報カードの作成など ご検討ください。


まずはこの緊急情報カードの作成を家族全員で話し合うことから 介護についてお話合いのきっかけにしてもらえたらと思います。
なかなか家族の中でも話しづらい内容ですが、万が一病気になったり倒れたときの対策の延長で、介護になったときには どうしていきたいか、徐々に話し合いの場を設けていっていただけるとよろしいかと思います。




一度家族で話し合っていただき、「準備」を大切にしてください♪